言語楽

発表を担当した友予です。

【文献情報】

ルイ=ジャン・カルヴェ(2006)「言語学と植民地主義 ことば喰い小論」『第一章 言語の理論と植民地主義』(p. 24-50)

【要旨】

言語研究は、自覚の有無は別として、言語学者のイデオロギー的解釈・選択によって行われてきた。それはときに、ある言語が他の言語に対して自らの優越性を理論化する「ことば喰い」となり、人種主義や植民地事業の正当化に寄与することとなる。

仲ゼミでは、毎週木曜4, 5限に学生による自主ゼミを行っています。コミュニケーション論や社会言語学、応用言語学のテーマを中心に、日英語問わず。たまに、管理人(私=仲 潔)も参加します。

今回の担当をしましたりょーへいです。

【文献情報】

ピンカー、スティーヴン(2007)「第2章 動詞構文から見る人間本性: 概念意味論のダイナミズム」pp. 59-137『思考する言語 上: 「ことば」の意味から人間性に迫る』磯島幸子+桜内篤子(訳)

【要旨】

この章では、与格構文と繰上げ構文の意味上の微細な違いから、人間の認知の特異な「クセ」を解き明かしている。このクセは、「思考の言語」と呼ばれており、本文献では構文や動詞の振る舞いからその様相の一端を捉えようと試みている。

担当させていただきました飯塚です。

【文献情報】

小坂貴志 (2017)「第4章 コミュニケーションと対話」『現代対話学入門』 (pp.83-105)

【要約】

 現代で存在感を高めている「対話」とは、実現可能性と実現不可能性という矛盾を抱えたものである。異文化コミュニケーションにおいては、積極的で希望を抱かせる文化の乗り越

えによって何かが生まれることを期待されている。

今週の発表担当をさせていただきました桃子です。

【文献情報】

小野原信善・大原始子(2004)「言葉とアイデンティティ-言葉の選択と使用を通してみる現代人の自分探し」第5章『北アメリカ北西海岸先住民にみる言語とアイデンティティ』p.127-149

【要旨】

言語はその話者のアイデンティティと強く結びついている。そのために歴史的に言語を利用した政治的戦略は多く行われ、多くの言語が消滅または消滅の危機にさらされた。それぞれの民族語にこそその文化が「織り込まれ」ているため、言語が消滅するということは、それらの文化が消滅するということなのである。